Raptor Lake Nextが出るらしいですね
dGPU付きのPCが欲しくなった
筆者宅にあるPCはすべてdGPUを搭載しておらず、すべてiGPUです。
これは意図的に筆者がdGPUを避けているためで、筆者的にはPCであまりゲームをしないのと、dGPUという性能が上がれば価格も上がるインフレパーツに嫌気がさしていたからです。
しかし半導体価格の上昇とか、これは筆者のやらかしなのですがPS5を売ってしまったりとかで、なんとなくdGPU付きのPCが欲しくなりました。
筆者宅にあるWindows PCは最も性能が良いものでSurface Pro 10のCore Ultra 7 165Uモデルなので、ここらで性能重視のPCが1台くらいあっても良いでしょう。
探す
最終的な購入機種はタイトルでネタバレしているのですがしばらくお付き合いいただくか、読み飛ばしてください。
デスクトップは避ける
性能重視ならデスクトップPCが良いかと思い当初はこれで行こうと考えていました。しかしマトモな世代は価格が高く、かといって今更古い世代でPCを組む気にもなりません。そして何よりデスクトップPCは置き場所に困るという理由で何度も挫折しているので今回はやめることにしました。
Surface Book 3にしようかと考えた
Surface Book 3はIce Lake + Turing (GTX16系) の構成の2-in-1 ノートPCです。タブレット部分とキーボード部分で切り離すことができます。
大きさは13インチと15インチの2つあり、前者はGTX 1650 Max-Q、後者はGTX 1660Ti Max-Qを搭載しています。Surface Book 3の特徴として、キーボード側にdGPUが搭載されていることが挙げられ、タブレットモード時はiGPUしか使えません。
変な構成をしているPCの割には割と流通数が多く、Core i7-1065G7 + 32GB + GTX 1660 Ti Max-Qな構成の中古品がまあまあ手軽に手に入ります。価格も7万円~と、これまた変な構成かつSurfaceにしては性能の割に悪くなく、当初はこれでいこうかと考えていました。
でもやめた
何故やめたのかというと、Surface Book 3は①Thunderbolt 3非対応なのと、②Iris Plus Graphicsが4K 120Hz出力に公式には対応していないためと、③15インチはでかいだろうということです。
①SurfaceシリーズはThunderbolt 3の脆弱性を気にしていたのか単にやる気がなかったのかわかりませんが、Surface Pro 8でThunderbolt 4対応になるまでThunderbolt規格の採用を見送っています。漏れなくSurface Book 3も非対応で、Thunderboltでの運用を前提としている筆者環境ではまあまあ扱いにくいデメリットです。
②筆者宅は4K 120Hz出力ができることが前提の環境でもあるので、これができないIris Plusはこれまた扱いにくいだろうということです。一応筆者が別のIris Plus搭載PCで試した限り、Ice Lakeでの4K 120Hz HDR 10bit RGB出力はできなくはなかったです。ただしかなり動作が不安定なので、これで常用するのは厳しそうという感じでした。
③そしてせっかくノートPCにしているのに15インチはちょっと大きすぎないか?ということです。筆者の感覚でいくと14インチのPCがギリギリセーフ、それ以上はアウト。しかしGTX 1660 Ti Max-Qモデルは15インチに限られており、13インチのGTX 1650 Max-QだともはやLunar LakeとかのiGPUで良い説出てくるので、懸念材料が多いということでやめたのです。
余談でGTX 1660 Ti側からなら4K 120Hzを安定して出せるんじゃないか?と考えましたが、恐らく外部出力はすべてiGPU側に結線していると思われるので結局Iris Plus Graphicsの性能に引っ張られて多分ダメですね。
Surface Laptop Studio 2を検討し始める
正直なところSurface Book 3のほぼ一点狙いで検討していたので、上記で挫折してこの話はほぼ凍結だったのですが、Surface Laptop Studioが案外悪くないのでは?ということに気付きました。
まずSurface Laptop Studioに可能性を感じる
Surface Laptop StudioはTiger Lake-H35 + RTX 3050 Tiというまあまあ使い物になりそうな構成で、メモリ32GBモデルが中古で15万円くらいで手に入ります。
こいつも一応2-in-1ノートPCで、Dynamic Woven Hingeというディスプレイの真ん中くらいでヒンジが180度回転するという文字に起こすと面倒でわかりにくいですが、とにかく気色の悪いような変な仕組みで2-in-1形状になっています。おそらくはSurface Bookシリーズの後継の扱いで、携帯性を犠牲に性能に振り切った設計です。
Tiger Lakeを採用したことによりiGPU側がIris Xe Graphicsになり4K 120Hzを安定的に出せるようになったほか、Thunderbolt 4に対応しています。大きさ的にもタブレットモードでの使用こそできなくなりましたがトータルで見れば14.4インチとサイズダウンしています。
これだ、と思って購入しようかと思ったのですが、10万円超える買い物なら、いっそちゃんとしたもの買おうかと余計なことを考え始めました。
さらに後継のSurface Laptop Studio 2に目が行く
Surface Laptop Studio 2はRaptor Lake-H + Ada (RTX40系) の構成で、かなり性能に振ったPCです。CPUは2世代、GPUは1世代しか上がっていないもののここの差はまあまあデカいです。
Core i7 + dGPUモデルに固定して比較するとこんな感じ。
| Surface |
Book 3 |
Laptop Studio |
Laptop Studio 2 |
| サイズ |
15インチ |
14.4インチ |
14.4インチ |
| CPU |
Core i7-1065G7 (4C8T) |
Core i7-11370H (4C8T) |
Core i7-13700H (14C20T)[6P8E] |
| GPU |
Iris Plus Graphics GTX 1660 Ti Max-Q (6GB GDDR6) |
Iris Xe Graphics RTX 3050 Ti (4GB GDDR6) |
Iris Xe Graphics RTX 4050 (6GB GDDR6)/ RTX 4060 (8GB GDDR6)/ RTX 2000 Ada Gen (8GB GDDR6) |
| メモリ |
LPDDR4x-3733 |
LPDDR4x-4266 |
LPDDR5x-5200 |
| ディスプレイ |
3240×2160液晶 |
2400×1600 120Hz 液晶 |
2400×1600 120Hz 液晶 DisplayHDR 400 |
| バッテリー駆動時間 |
17.5時間 |
18時間 |
18時間 |
| ストレージ |
PCIe 3.0x4 NVMe |
PCIe 3.0x4 NVMe |
PCIe 4.0x4 NVMe |
| Wi-Fi |
Wi-Fi 6 |
Wi-Fi 6 |
Wi-Fi 6E |
| 重量 |
1,905g |
1,820g |
1,980g |
| ACアダプター |
127W |
102W |
127W |
こう並べてみると、PC好きとしてはSurface Laptop Studio 2を買いたくなるものです。
dGPUを選ぶ
Surface Laptop Studio 2が頭から離れなくなったところで、dGPUを選びます。
まずRTX 4050 Laptop搭載モデルを探すことにしました。メモリは32GB。わかってはいたことですがあまり流通していないというのと、価格が中古で30万円前後。うーん。
次にRTX 4060 Laptop以下略。これは普通に知らなかったのですがRTX 4060 Laptop搭載モデルはかなり流通数が少ないらしく、あったとしても相場が50万円を超えていました。断念。
となると残るのがRTX 2000 Laptop Ada Generation以下略な訳ですが、こいつはRTXを名乗っていながら実際はQuadro系譜のGPUです。Quadroは3D CAD等の事務用途を得意とする一方で、ゲームには最適化されていないとされています。ゲテモノ感があるので敬遠していましたが、ハードスペック的にはこれまた実際はRTX 4060 Laptopとほぼ同じらしく、ゲーム性能はRTX 4050 Laptopちょい上を行けるそうなのでまあアリか...?と考えた。
んで実際探してみると上記理由で避けている人が多いのか、なんとこのポテンシャルでRTX 4050 Laptop以下略品と同じかそれ以下の価格で流通していることに気付いた。これで行きましょう。
届いた

なんか写真傾いてる気がしますが、気のせいです。
この半導体氷河期時代、善は急げということでハンティング。中古ですがほぼ傷がない美品が届きました。
構成は32GBメモリ、そして期待の星RTX 2000 Laptop Ada Generationモデルです。

公称1.98kg、保護フィルム等貼っているものの実測は2kg。普通に持ち運ぼうとは1ミリも思わない重さです。
外観
天板

ディスプレイが回転するように切れ込みが入っているのと、窓がある以外は何もなく非常にシンプルです。
側面

左側面は奥からUSB Std-A、USB Type-C ×2。
右側面は奥からSurface Connect、イヤホンジャック、microSDXCスロット。
その他は特に何もありません。
裏面

こちらもゴム足と技適表示、シリアル番号が記載されている以外は何もなくシンプル。

技適表示は本体に直接プリントしているので、後から変えたくなっても変えられないタイプです。
本機に限らずSurfaceシリーズ全体で本体裏面に技適表示をプリントしていることが多いのですが、ここまでシンプルにするならBIOSに入れとけよと思わなくもない。

多少厚みを胡麻化すためだと思いますが段差があります。あと謎の隙間、分解用かもしれないし、違うかもしれない。ディスプレイ閉じたときの全体の厚さは2.2cm。

本体はほぼ全体アルミですが、段差部分はプラスチックです。ここはSurface Slim Pen 2を充電・収納できるようになっています。

横はこんな感じで、吸気・排気に力を入れています。段差になっているので、通常使う分には目立ちません。
キーボード

JIS配列用に型がとられています。
パームレスト部分もアルミ製です。
2-in-1

1枚目はテントモード的な使い方で、動画視聴時とかに推奨されると思われます。キーボードが封印されますが、タッチパッドは使えます。
2枚目はタブレットモード時で、ペンを使うときとかに便利と思われます。

こんな感じでディスプレイを後ろ側に向けることもできますが、あまり安定せずMicrosoft的にもあまり推奨していないらしいです。ただ、ディスプレイ側に回転センサーが入っているので一応画面の向きとかは対応してくれます。

ディスプレイの裏側はこんな感じ。
紹介セクション
いろいろ紹介していきます。(別名筆者が喋りたいだけセクション)
ところでこのPCはIntel Evo準拠らしいのですが、本体の厚さ15mm以下という規定はどうしたんですかね?
筆者初のRaptor Lake世代
Core i7-13700HというCPUを搭載。

筆者初とかどうでもいいわと思いますよねその通りです。
Raptor Lakeは過去の所有機でCore i5-13500を使用していたことがあったのですが、コイツは名前こそRaptorですが中身はAlder Lake設計です。そういう意味で今回が初です。
特徴としてLaptop向けとしては高性能モデルであるHシリーズです。OCとかは対応していませんが、今まで筆者が使用していたUシリーズ等と比べるとコア数やベース電力が増加している性能特化型。
Pコアが6C12T、Eコアが8コアというノートPC向けとしてはかなり過剰な構成です。今まで筆者が使用してきたAlder Lake-UやMeteor Lake-Uとは雲泥の性能差です。
特に書くことがないメモリ

LPDDR5x-5200の32GBです、以上。
だとセクション用意した意味がないので余談。
CPU-Z読みだと、メモリはSK Hynix製です。

LPDDRなので換装はできませんが、速度は速いのでiGPU的には恩恵があるかと思います。
変わり映えしないiGPUと比較的マイナーなdGPU
iGPUはTiger Lakeから特にテコ入れされていないであろうIris Xe Graphicsの96EUです。メモリバス幅は128bitなので、UHDではなくちゃんとIris Xe。メモリのセクションで書きましたが、メモリ側が速くなっているのでiGPUもTiger Lakeの頃より多少性能は上がっていると思います。
dGPUはNVIDIA RTX 2000 Ada Generation Laptopを搭載。

実はRTX 4060 Laptopと同じAD107でGDDR6 8GB、CUDAコア数も3072とハード的には全く同じ構成ですが、血筋的にはQuadroです。そのためゲームよりはクリエイティブ用途等に向き、ゲームは得意としていません。事実、RTX 4060 Laptopの方がゲーム時のスコアは高いようです。
他方別に得意としていないだけでできない訳ではなく、RTX 4050 Laptopの少し上くらいのパフォーマンスを発揮します。
RTX 2000 Ada Laptopは最大140Wですが、Surface Laptop Studio 2では電源設定が80Wに制限されています。dGPU側のフルパフォーマンスが出る訳ではありませんが、まあゲーミングノートでもない一応2-in-1 PCとしては頑張っている方だと思います。
ちなみに、Surface Laptop Studio 2では内蔵パネル、USB Type-C端子のDisplayPort外部出力共にiGPU側に接続されています。Surface Connect側のDisplayPortも同じ。

この構成はdGPU側から直接ディスプレイに映像出力されずNVIDIA OptimusでiGPU側に処理結果を書き戻している、つまりパフォーマンス的にはマイナスです。ただし必ずしも悪という訳ではなくdGPU非使用時はiGPU側のみで処理できるので、Surface Laptop Studio 2に限らずdGPU搭載ノートPCでは広く使われている手法です。
dGPUはPCIe 4.0 x8で接続されています。
パフォーマンスに振ったSSD
SSDは公式ページに記載の通りGen4 SSDです。
接続はPCIe 4.0x4ただし実効速度は3000MB/sみたいなやる気のないSSDではなく、KIOXIA XG8という、SEQ Readで7,000MB/sを謳うどこに出しても恥ずかしくないGen4 SSDです。

筆者にとっては久しぶりのDRAM搭載SSDでパフォーマンスも良い、としたいところですが最近はSN7100とかのDRAMレス SSDがかなり優秀なので、XG8の7.7Wという比較的高い消費電力もあり今となってはそこまで褒める箇所もなくなってきているSSDでもあります。
とはいいつつ、初代Surface Laptop StudioのSSDはGen3 SSDで、かつそこまでパフォーマンスの良いものは載っていなかったようなので、シリーズとしては大きな進歩といえます。
実測はこんな感じ。↓

SEQはReadは高速、Writeもやや速いですが、肝心のRND4K Read Q1T1はそんなに速くないのでシステムディスク的に良いSSDとは言い難いです。
動画とかゲームデータとか纏まったデカいデータの転送であれば高速といったところです。
地味にNPU搭載
第13世代Coreシリーズとしては珍しくNPUを搭載しています。
具体的にはIntel Movidius 3700VCというVPUを搭載しており、これはMeteor Lakeの内蔵NPUのベースとなっているモデルのようです。
性能はあまり具体的な情報が無く厳密なところは不明です。Windowsで手軽にNPUに負荷をかけるとなるとスタジオエフェクトという、インカメラの背景ぼかしやオートフレーム機能が挙げられます。

オートフレーミング、標準ぼかしの設定で23%程の使用率です。
512MBの専用メモリがあるようです。蛇足ですが内部的にはPCIeで接続されています。
ちなみに、Meteor LakeであるSurface Pro 10(Core Ultra 7 165U)に搭載されているIntel AI Boostで同じ機能を使うと約32%程の使用率です。

3700VCよりグラフが少ないし、専用RAMもないようです。
Meteor LakeのNPUは約11TOPSと言われており、3700VCも恐らく同程度の処理性能と考えられます。決して性能が高い訳ではないですがAI機能にさほど興味がない筆者としては背景ぼかしが低リソースで使用できる点、メリットは感じています。(割とCPU食ってるように見えますが。)
ディスプレイ品質は基本高め
14.4インチのPixelSense Flowタッチディスプレイだそうです。
タッチ機能としては10ポイントタッチとMPPでのペン入力に対応。
恐らくIPS液晶で、2400×1600という地味にQHDが入らない微妙な解像度。
リフレッシュレートは120Hz対応で、15~120Hzの可変レートにも対応しています。

特徴として、DisplayHDR 400認定を取得しています。DisplayHDR 400認証自体結構ガバいのと、パネル自体の色域がDCI-P3で7~8割程度なので厳密に色を扱う用途には向きませんが、Windowsノートの内蔵ディスプレイとしては相当良い方だと思います。明らかに発色がアレなPCとか、HDRは使えるけど暗所を潰したり高輝度が潰れるとか、OLEDを採用していたりとかでほぼ使い物にならないノートPCは結構あります。
その点Surface Laptop Studio 2のディスプレイはSDRを潰すことなくHDRの高輝度部分をそれなりに適切に表現できるので、ポン付けディスプレイとしては優秀と評価しています。
Windowsノートではマシという評価止まりなのは、まずMacBook ProのミニLED機には色域も輝度も到底敵わないという点、内蔵ディスプレイの輝度を上げすぎると白飛びする点が挙げられます。あくまでFALDではないので、普通の液晶パネルの限界といったところでしょう。
もう1点このディスプレイには欠点があり、HDRをオンにしたときの応答時間が最悪です。120Hz対応ですがスクロール時は目に見えて残像感があります。
で、このHDRをオンにすると残像が目立つという悪癖には覚えがあり、DELLのXPS 13 9350も全く同じ課題を抱えていました。この違和感と既視感は勘違いではないようで、今回のSurface Laptop Studio 2はSHARP製のLQ144P1JX01を採用していて、XPSもSHARP製の液晶を搭載していました。
SHARPのノートPC向けパネルはHDR有効時の応答時間に課題があるのかもしれません。
Wi-Fi 6Eに対応
見出し通りです。
自宅のWi-Fi 7ルーターと6GHz帯で通信していることも確認できました。

一つ謎なのが、CNVio2であるAX211ではなくPCIe+USBであるAX210を採用している点です。機能的には同じなので使用者的にはまあどっちを採用しても構わないのですが、AX211はチップセット側の機能を活用する分安く調達できる...はずなので、あえてAX210を選択している理由はよくわかりません。
補足として、Raptor Lake-HがCNVio2に対応していない訳ではありません。何故そう言い切れるかというと、HP ZBook Power G10でCore i7-13700H + AX211の採用事例があるためです。
多機能なUSB Type-C端子×2
左側面に機能が同じUSB-C端子を2つ備えています。
このポートはThunderbolt 4に対応しており、DisplayPortやUSBを内包しています。
この辺りは後述したいので、これだけで。
普通なUSB Std-A端子
左側面の一番奥にUSB Standard-A端子が1つ。
公式ではUSB-A 3.1とだけ書かれているのですが、適当に外付けSSD挿して確認したところまさかのUSB 5Gbpsでした。

速度含め普通です。
しかしこのポート、使えるかもしれません。
右側面にSurface Connectポート
このセクションで急に言いますが、Surfaceは過小評価されています。特に、USB端子の少なさだけで一蹴されているのであれば、それはSurfaceの表面(Surfaceだけに)しか見ていません。
Surfaceで最も見落とされている魅力がこのSurface Connectポートです。基本的に充電用ポートとして認知されており、実際に付属する充電器もSurface Connect端子のものです。
Microsoftも積極的にアピールしていないのであまり知られていませんが、Surface Connectポートは電源入力だけでなく、USB 10Gbps、DisplayPortの信号線を流すことができます。
このSurface ConnectポートのUSBとDisplayPortの信号線、世界に散っている99%のSurfaceで活用されていないのではないかと思いますので、1%以下のユーザーのためにUSBとDisplayPortの信号線伸ばして設計していると考えると泣けます。
その他右側面
イヤホンジャックとMicroSDスロットがついてます。
イヤホンジャックは内蔵スピーカーとジャック側で別デバイス扱いつまり音量を分けて管理できる仕様です。
MicroSD、イヤホンジャックともに最近は非搭載の機器が多く、筆者としてはこれらが搭載されている前提でもう立ち回っていないので、搭載されていても使わないというか、存在を忘れています。
生体認証は顔認証のみ
見出しの通りで、生体認証は顔認証のみで指紋認証センサーは搭載していません。
Surfaceシリーズは基本的に顔認証を推している印象で、Surface Proシリーズも筆者は指紋センサー搭載のキーボードを購入しているので指紋認証に対応していますが、ほとんどの製品は顔認証のみです。
一応Windows Helloの顔認証は赤外線で深度をキャプチャしているため、写真どころか他人の顔でも開くFARがガバッガバなAndroidスマホの顔認証なんかと比べると相当マシな作りになっていますが、AppleのFace IDには劣ります。
しかしFRRを恐れてかデフォルトでスプーフィング対策がオフになっているので有効化することを推奨します。ただ、有効にすると暗所で顔認証できなくなります。
内蔵カメラはUSBカメラ
内蔵なのにUSBというのはどういうことかというそもそもの前提の話をしておくと、ノートPCのWebカメラというのは内部的には基本USBプロトコルで接続されています。
そんな中特殊なケースでMIPI CSI-2というUSBではなくiGPUの専用線に直接接続している設計をとったノートPCが一部存在し、この設計の機種はカメラのフレームレートが高かったり、ノイズが少なかったり、端的に言えば画質が良かったりします。
Surface Pro 9や10シリーズはまさにMIPI CSI-2を採用していたのでSurface Laptop Studio 2もこれだろうと考えていたのですが、まさかのUSBでした。

まあ、カメラが良くても結局被写体が微妙なら微妙ですし、使う機会も無いので良いんですけどね。
ほぼ最上位と扱われるSurface Laptop Studioでも、全部入りではないということです。
ゲーミングに耐えうるのか
わざわざdGPU付きのPCを買ったわけですが、そもそもゲームができるのかという話です。
懸念点は2つで、①Quadro系譜で本当に大丈夫なのか?と、②Surface Laptop Studio 2自体ゲーミング用途で使用して良いのか?です。
FFXVベンチマーク
ということで、とりあえずFFXVベンチを回してみました。

まあいけそうです。
高品質だと7000台まで落ちました。
このスコアはデスクトップ版dGPUと比較すると、GTX1660TiやRTX3050よりもマシで、RTX4060は超えられないという程度です。
流石に現行のハイエンドGPUには遠く及びませんが、ノートPCでGTX1070~1080程度のスコアが出せるというのは技術の進歩を感じます。
他方ノートPCらしい動きもしており、フレームレート自体は出ている印象でしたがフレームスキップは多めです。
ベンチマーク中の温度も高く、室温25℃程度の部屋で回したところdGPU側が80℃を超えてサーマルスロットリングが働き、70℃前後をうろうろする、というような挙動をしていました。
もう1点気になるのが、CPU側の挙動です。
Surface Pro 10にRX7600M XTのeGPUを繋いだときはCPUが100%に張り付いて明らかにCPUがボトルネックになっていたのですが、Core i7-13700Hは流石に性能が高く、ベンチマーク中は30%前後を推移していました。
これ自体は良いのですが、処理がPコアとEコアを行き来している瞬間があり、このタイミングでGPU側の使用率が下がる、つまりCPUコアの切り替えの瞬間でロスが発生しています。

これはベンチマーク中に記録したタスクマネージャーなのですが、恐らくグラフ左上から右に向かう順番でPコアの6C12T、残りのグラフがEコアの8Cだと思うのですが、処理がほぼEコアのうちの4コアに行ってしまっており、クロックもかなり落ち込んでいます。結果的にGPU側の使用率も大きく落ち込んでいます。
Alder Lake以降のbig.LITTLE構成はゲームとの相性が悪いとは登場時から言われていたのでまあそういうものだろうとは思いますが、処理をPコア側だけに振ることができればもう少しスコアが伸びそうです。
スロットリングでこうなっている可能性もありますが、これであればどうしようもありません。
あとはHDRをオンにしているのでこの辺りも切ればスコアを詰められそうではあります。
実ゲームを試す
筆者が持っているゲームで試していきます。
まずGTA V Enhancedですが、FHDでグラフィック設定をかなり高めにしても130FPSほど出る程度には安定していました。

GPU使用率も最大で60%程度と余力があります。DLSS 4に対応していることもあってかフレームレートは稼げている印象です。
次にProject DIVA Mega39's+をプレイしてみました。こちらもFHDで最高設定にしてプレイしたところ、フレームレートが50FPS台で安定しており、何故か60FPS出ません。

Mega39's+は60FPSのフレームレート制限があるので60PFSよりも高い値が出ることは基本的にありませんが、50FPS前半で安定するというのはちょっと納得がいきません。
CPU、GPUともに使用率は40%以下であり、ハードスペック的には余力があります。
加えてフレームスキップが1分に1回程度の頻度で発生していて動作が安定しません。
フレームレートが出ない理由は不明ですが、この辺りがQuadro系譜の呪いなのかもしれません。
補足しておくと、スクリーンキャプチャーしていることはフレームレートの低下にあまり関与していないと考えられます。
スクリーンキャプチャーしていなくても50FPS台前半で安定していて、何なら負荷が軽いであろうメニュー画面でも同じような傾向でした。
そしてスクリーンキャプチャーはIris Xe Graphics側が処理を担っているようなので、多少の影響はあれど、これが原因で劇的にフレームレートが下がっているとは考えにくいです。
SurfaceはゲーミングPCとして使えるのか
残る問題が「Surfaceというデザイン重視端末をゲーミングPCとして使って良いのか?」という問題ですが、答えは「おそらくOK」です。
Surface Laptop Studio 2の公式製品ページには下記の通り記載があります。
AI で強化された圧巻のグラフィックスを体験する
NVIDIA® GeForce RTX™ 4050 and 4060で、より高速に最新のゲームをプレイし、コンテンツを作成しましょう。NVIDIA® RTX™ 2000 Ada Generation Laptop GPU で、次のプロジェクトの設計、エンジニアリング、レンダリングを楽しもう。10 Studio ドライバーと専用ツールをプリインストールした NVIDIA Studio 検証済みノート PC なら、プロフェッショナルなワークフローも、クリエイティブなワークフローもすべてスピーディーにこなせます。
Surface Laptop Studio 2 を購入(スペック、価格、14.4インチ タッチスクリーンを見る) - Microsoft Store
つまりMicrosoft的には、少なくともGeForce系dGPU搭載機ではゲームをするということは想定しているという訳です。ゲームができると触れ込んでおいて、ゲームしてはいけませんということは無いでしょう。
公式の立場が分かったところで、次にハード的な面で見ていきます。
本当は実機分解して直視した方が確実なのですが今回は分解する理由が他になく、設計上分解するデメリットがデカいので資料から見ていきます。
Surface Laptop Service Guideによるとデュアルファン構成で冷却を行っており、さらにiFixitのメインボード販売ページを見ると、ヒートパイプが最終的には同じ場所につながっているように見えます。
で、前作Surface Laptop Studioでは左側のヒートパイプがCPUに、右側のヒートパイプがCPUとdGPUに重なるように配置されており、この設計が変わっていなければ主に右側 (Surface Connect) のファンがdGPUの排熱を担っていることになります。
吸気、廃棄用スリットは大きめで本体も上面底面ともにアルミ筐体、ファンも大きめのデュアルファンなので冷却についてはゲーミングノートには及ばないとしても比較的優秀といえると思います。
実際にゲームせずに事務用途に使っているときはほぼ発熱せず、ゲーム中こそ発熱してファンの音も大きめですが、ゲームを閉じれば数分でファンが静かになります。
上記より筆者が導き出した結論は、数日に1回、数時間のゲームプレイであれば性能も耐久性も問題ないと判断しています。
ユーザーが冷却性能の割を食う
2-in-1としては優秀な冷却性能ですが、ユーザーが割を食います。
もう一度本体構成図を見てもらうとわかるのですが、ヒートパイプが本体のパームレスト部分に伸びており、それぞれ外側に排気しています。
つまりたいていの人間が使用時に腕を置くであろうパームレストが熱を帯びる上に、その熱が大抵の人間がマウス操作をしているであろう右手前側面に向かって排出されるという、ユーザーを低温やけどさせる気満々の設計をしています。
実際に高負荷時はパームレストにもマウスにも手を置いていたくないレベルの熱が来て、設計上仕方なかったのかもしれませんがもう少しどうにかならなかったのかとは思う作りです。
アルミ筐体のもう一つの欠点
アルミ筐体であることの欠点がもう1つあり、タッチカレントが発生します。
タッチカレントとは何か?というと端的に言えば人体に害はない程度の漏電で、知覚が可能なものです。これは本機に限らずMacBookとかの本体に金属を使用している端末ではよくあることなのですが、本体を指で撫でるとぶるぶる震えているような、何とも言えない感触がします。
ACアダプターで充電中かつ、バッテリー残量が最大等で充電が停止して給電のみの状態で良く起こります。
最近はSurface Pro 10のアルカンターラ、XPS 13 9350のプラスチックなどパームレストは金属ではないPCばかり触っていたのであまり体感することがなかったのですが、本機でも起こるということを書いておきます。
あとアルミ筐体の端末は夏場は良いけど冬場は冷たくてつらいという問題もありますね。
USB Type-Cポートの仕様
先述の通りUSB Type-C端子はThunderbolt 4に対応しているのですが、Thunderbolt 4の特徴として、最低要件とオプションの幅が小さく、機能がほぼ統一されていることが挙げられます。
そのあたりを検証していこうという話です。
USB 3.2 Gen2×2に対応しているか
Thunderbolt 4ではUSB 3.2 Gen2 (USB 10Gbps) とUSB 40Gbps (USB4) のサポートは必須ですが、USB 3.2 Gen2×2はオプションです。
Raptor LakeではリタイマーをHayden Bridgeという新しいものとBurnside Bridgeという古いものから選ぶことができるらしく、前者ではUSB 3.2 Gen2×2をサポートしています。
USB 3.2 Gen2×2は筆者が使用したPCではAlder Lake-UのSurface Pro 9では非対応、Meteor Lake-UのSurface Pro 10は対応でした。
そうなると気になるのが間の世代であるRaptor LakeのSurface Laptop Studio 2は対応しているのか?ですが、結論を書くと対応していませんでした。

実のところRaptor LakeでUSB 3.2 Gen2×2に対応している端末は聞いたことがなかったのであまり期待はしていなかったのですが、まあ予想通りといったところですかね。
PCIe 4.0x4に対応しているか
Thunderbolt 4ではPCIeトンネリングの帯域にPCIe 3.0x4の32Gbpsという要件を設定しています。
これはThunderbolt 4のオプションというよりはPCIe 4.0が熟れてきて対応機器が増えて結果的にそうなったという流れではあるのですが、Thunderbolt 4対応機器には要件通りPCIe 3.0x4を内包している機器と、PCIe 4.0x4を内包している機器が存在します。
前者PCIe 3.0x4を内包している機器ではおよそ3,000MB/sで頭打ちで、後者PCIe 4.0は16Gbps×4レーンの64Gbps出るかというとそうではなく、だいたい4,000MB/s弱で頭打ちになります。
正直誤差といわれると誤差程度の違いなのですが、一応確認しました。

Read側が4,000MB/s近く出ており、PCIe 4.0x4と考えられます。
実のところPCIe 4.0x4の対応はAlder Lake-UのSurface Pro 9で確認ができていたので、特に意外性はないですね。
電力供給が弱い可能性がある
これは上記検証中に当たった問題なのですが、ASM2464PDとSN7100の組み合わせが電力不足で動作しないことがありました。

別のASM2464PD搭載ケースに交換することで回避したものの、実のところASM2464PDはともかくSN7100はSSDの中ではかなり省エネな部類なので、これが動かないとなると大抵のSSDは動かないということになります。
Surfaceシリーズは全体的にUSBポートの電力供給が弱く規格値の最低限しか出さない傾向があるようで、それでもSurface Pro 10とかでも動いていた組み合わせが本機で動かなかったのは少々引っ掛かりました。
とはいえASM2464PDでNVMe SSDを外出しする使い方自体が特殊ケースではあり、エンクロージャー側の不具合や相性不良の可能性もあるので、電力供給が弱い可能性がある、くらいに留めておきます。
Surface Connectでの充電
Surface Connectから充電できる
できるというか、Surfaceシリーズ自体はこの設計を基本としています。

本体に付属するSurface Connectの充電器は表記上127W、このうち7.5WはACアダプター側の正直要らないUSB Std-Aポートの給電用であり、残る約120WがSurface側に供給される電力です。
Surfaceシリーズには「最低限必要な電力」と、「(高速充電を考慮すると)推奨される電力」の2種類があります。
この情報は公式ページで閲覧することができ、例えば筆者が愛用しているSurface Pro 10は前者が39W、後者が45Wと、13インチのSurface Proシリーズ全体では最も少ない電力です。
話をSurface Laptop Studio 2に戻してこちらがどうかというと、前者も後者も120Wが必要です。
この120Wという値はSurface Connectで給電する機種の中ではシリーズ最大です。
では120Wを下回るACアダプターを使うとどうなるかというと、こういう通知が届きます。

充電できなくはないが低速充電になる、というスタンスですが実はこの表示には若干の嘘があります。
最低電力と推奨電力がイコールなことから察しが付く人もいるかもしれませんが、そもそも120Wを下回った時点で動作に必要な電力が足りていません。この状態で負荷をかけるとどうなるかというと、不足した電力をバッテリー側から補います。当然バッテリーに負荷がかかりますし、ACアダプター側も常にフルで給電することになってどのパーツも得をしないので、120Wの要件は守ることをお勧めします。
120Wの純正充電器は存在しない
120Wが必要と公式で言っている割には120Wピッタリの純正ACアダプターというのは存在しません。
Surface Laptop Studio 2のACアダプターを用意する場合は上記で出てきた127Wの充電器を用意する必要があります。
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公式だと在庫ありません。やる気ゼロ。
これよりも出力が下の純正充電器は102Wであり、これもUSB Std-Aに吸われる量を考慮すると実際PCに供給されるのは95W程度、つまり足りません。
純正ACアダプターは在庫なしの127W一択です。
ちなみに新品定価は2万円越えでかなり高級、そもそも在庫がないので適当に中古を狩ることをお勧めします。量販店とかだとチラホラ新品でも残っているっぽいです。
USB PDを嫌う企業にはお勧めしない
USB PDが主流となってきた今、一見使用者にメリットのない独自規格の充電端子が存続している理由があります。そのうちの一つが、USB PDはUSB Type-Cを使用する→(つまり)→USB Type-Cはデータ転送に対応しているためセキュリティのリスクがある、という理由で主に企業が嫌っているというものです。
この主張自体は同意する一方で、その解決策にSurfaceを導入するのはおすすめできません。Surface ConnectもUSBの信号線を備えているからです。
ちなみに純正ACアダプターについているUSB端子は通信非対応で充電専用です。あれほんとなんでついてるんですかね。
USB PDでの充電
Thunderbolt 4の要件の中に、USB PD対応が原則必要というものがあります。
そのあたりをチェックしていきます。
一応書いておくと、すべて240Wケーブルを使用しているのでケーブルがボトルネックになることはありません。
65W~100W USB PD充電器
筆者宅にあるUSB PD充電器をいくつか試しました。
・ELECOM MPA-ACCP43 65W
・Apple A2166 96W
・ELECOM EC-AC67150BK 100W
120Wに届いていない時点で察しはつくと思いますが、これらはすべて低電力充電扱いでした。
140W USB PD充電器を調達
ELECOMのEC-AC96140を購入。
使ってみたのですが、低速充電通知がきます。
ケーブルはもちろん240Wケーブルです。
何度試しても同じで、ここで筆者はあることを思い出しました。
USB PDでは100W以上受電しない説
Thunderbolt 4は先述の通りUSB PDでの充電を原則必須としていますが、原則ということは例外があります。
①必要電力が100Wを超える場合
②Thunderbolt 4ポートが複数あり、いずれか1つが対応している場合
Surface Laptop Studio 2は①と②どちらも該当しますが、今回引っ掛かるのは①の方です。補足として書いておくと、本機のUSB Type-Cポートは両方とも機能が同じですので②については気にしなくて問題ありません。
話を戻して、これもThunderbolt 4のオプションというよりはThunderbolt 4の規格策定時はこれが最大要件だったという話なのですが、USB PDで100Wを超えて給電できるようになったのはThunderbolt 4が策定された後の話です。
USB PD EPRの規格策定がSurface Laptop Studio 2よりも前だったので完全に油断していた、というかこの例外を忘れていたのですが、USB PD充電器を購入して繋いでから思い出しました。
テスターで見てみる
USBテスターを使ってどういうやり取りをしているのか見てみました。テスターは2種類使用していますが、どちらも100Wを超える規格に対応しています。
USB PDでは供給側と受電側がやり取りを行い適切な電力を決める訳ですが、充電器側はしっかり140Wまで対応していることを通知していました。

一方でSurface Laptop Studio 2側が100Wまでしか引かないような挙動をしていました。

テスターでの測定値だけだと薄いのでSurface Laptop Studio 2と充電器の間に挟んでパケットキャプチャーしてみても、やはり100Wまでしか要求していませんでした。
つまり、Surface Laptop Studio 2はUSB PDに対応はしているもののあくまでオマケであり、実使用ではSurface Connectから120W給電することが望ましいということです。
USB PDのバグ?
検証中に、実はUSB PDでも低電力通知が出ない組み合わせがありました。
それはBelkin Thunderbolt 4 Dock INC013qcSGYで、最大96W出力です。何故低電力扱いにならないのかは不明ですが、ベンチマーク等で負荷をかけたら普通にバッテリーが減ったので電力供給が足りているわけではなさそうです。
バッテリー周り
持続時間が微妙
バッテリー持続時間は公称値で18時間、容量は58Whです。
今回購入した個体は中古ですが、Battery Report読みでは容量は99%ほどでした。
バッテリー残量80%から室内でYouTube流しながらブラウジングをする、という使い方を2時間してみたところ40%程減りました。この使い方では最大でも8時間程度しか持たない計算になり、公称値に遠く及びません。
Microsoft公式の算出方法と大きな乖離があるかというとそうでもなさそうで、18時間持続という表記には疑問を持たざるを得ません。
根本的に58Whという容量はSurface Laptop Studio 2 の構成を考えると少ないです。55Wh前後というのは最近はその辺のノートPCでも満たしているものが多いほか、MacBook Proの14インチに至っては72.4Whのバッテリーを搭載しています。
もう一つ、本機はディスプレイがすべてiGPUに結線されているため、dGPU使用時のバッテリー持続時間はさらに悪化するというのは容易に想像がつきます。
NVIDIA OptimusでdGPU側が非使用の場合はdGPU側の消費電力は0Wですので、iGPUでこのバッテリー持ちの悪さだと、外で使うのは厳しいという判断をせざるを得ません。
とはいえ、大きさ、重さの時点でコイツを持ち出しようにする気は全くなく、加えて127W ACアダプターもセットで持ち歩くのは現実的ではありません。
Surface Laptop Studio 2は据え置きノートPCとして扱うべき機器です。
一応バッテリー保護機能がある
充電量を80%まで抑えることでバッテリー劣化を防ぐ機能があるのですが、この制御が完全に端末側の自動制御なので、ユーザーからはこの保護機能をオフにするか、機器に委ねるかの選択しかできません。
80%上限になるのもしばらくACアダプターで運用し続ける必要があり、何かの拍子にバッテリー消費すると100%まで充電されがちです。
加えて充電保護が再度働くと、100%あった残量をAC駆動時でも積極的にバッテリーから使って無理やり80%まで減らしていく...という正直頭の悪い挙動をします。
DELLとかみたいに完全にユーザーに制御させてほしいんですけどね。お隣のAppleですらユーザーでコントロールできる時代なのですから。
Surface Dock 2との相性が良い
Surface Dock 2という純正周辺機器があります。

Surface Connectポートに接続することで、USB Type-C (USB 10Gbps / DisplayPort 1.4a / 7.5W給電)×2、USB Type-C (USB 10Gbps / 15W給電)×2、USB Std-A (USB 10Gbps / 7.5W給電)×2、GbE、イヤホンジャックを増設しつつ、本体に120W給電ができるという結構ゴツい仕様をしていて、Surface周辺機器としては最強格だと思います。
詳細な仕様は公式にも載っています。
learn.microsoft.com
純正127W ACアダプターを除くと恐らく唯一120W出力できる周辺機器で、ぶっちゃけ中古でも6000円とかする127W ACアダプター買うんだったらSurface Dock 2を中古で買った方が良いのではないかとも思います。Surface Laptop Studio 2でなくてもUSBを大幅に増設できるのでぜひおすすめしたい周辺機器です。
欠点はケーブルのストレインリリーフ部分がかなりやる気のない設計ですぐ壊れそうなことと、固定がマグネットなのでよく接続断が発生することです。
指紋認証に対応させる
筆者の指にはAdministrator権限がついている指とそうでない指があります。そして筆者の顔はAdministrator権限がついておりませんので、指紋認証ができないWindows PCというのは少々手間がかかるのです。
本体左側面に良い感じにUSB Std-Aポートがついているので、Windows Hello対応の適当なUSB指紋リーダーを購入することにしました。新品だと5000円前後する製品が多いですが、中古だと1000円くらいで買えます。
様々なメーカーが出していますがどれも大差ないので、適当に中古ショップでUSB指紋リーダーを購入して挿しっぱなしにします。

本体の一番奥にUSB Std-Aがあるので手前のUSB Type-Cポートに何かささっていると指紋認証しにくいというデメリットはありましたが、パスワード打つよりは楽なのでまあ良いです。
その他使い勝手
キーボードの使い勝手は良好
キーピッチ、キーストロークともに最近のノートPCらしい、普通のパンダグラフ式キーボードです。
テンキーレスでキーバックライトつき、MacBookのパクりと思われるスペースキー横のIMEオン、オフボタン、CopilotキーはなくRAltキーがあるほぼ完璧な配列です。JIS配列しか国内では手に入らないのが残念ではありますが、ここは妥協。電源ボタンがDelキーの左にあるので、人によっては気に入らないかもしれません。
筆者の不満は別にあり、メディアコントロールキーがありません。Fnキー裏にある再生/一時停止ボタンのことですが、マイクミュートが追加されたことにより無くなったようです。
あと打鍵音がまあまあうるさいです。気を付けて静かめに打とうとすれば多少は静かになるのですが、Enterキーは設計が悪いのかどう頑張っても「パチン」という音がします。多少静かな空間であれば、ああコイツEnterキー押したなというのが周りからわかります。
タッチパッドは電動式
MacBookと同じ仕組みで物理的な押し込みはできず、モーターでフィードバックするタイプのタッチパッドです。
筆者的にはこれをかなり評価していて、ボタンの設置位置によって押し込み具合が左右されずにどこでも押し込めるので使いやすいです。
ただコイツもキーボードに似て物理駆動しないクセに何故か駆動音がうるさいです。恐らく触覚フィードバック用モーターの音だと思うのですが、これはもう少し静かにできたでしょう。
ペンは未購入
Surface Slim Pen 2とかのMPPペンに対応しています。
本体手前側にSurface Slim Pen 2を磁器吸着できるエリアがあるのですが、この端末でペン入力する予定が無いので今のところ購入していません。安く手に入る機会があればまあ、くらいに考えています。
保護フィルムを貼る
少々悩みましたがタッチパッドとディスプレイに保護フィルムを貼りました。
悩んだ理由は本機がディスプレイを閉じたときにあまり余裕がある設計ではないようで、こういう機器に保護フィルムを貼るとディスプレイが割れる可能性があるためです。
しかしタッチパッドとタッチパネルはよく指で触れる部分で傷がつくリスクの方が高いと判断し両方フィルムを貼ることにしました。
どちらもPET素材のペーパーライクフィルムをチョイス。画面側はガラスにしようかと思いましたが、厚みがあると割れそうなので諦めた。
音が飛ぶことがある
これは完全に原因不明なのですが、B&W Px8と直接USB接続した際に20秒に一回程度の頻度で音飛びが発生します。
他のPCとPx8の組み合わせでは発生しないほか、Surface Laptop Studio 2とPx8以外のオーディオ機器だと問題が無いので完全に謎。
総評
デザインの良いゲーミングノートです。
筆者はゲーミングノートのゴツいデザインが嫌いで購入してこなかったという経緯もあるので、Surface Laptop Studio 2は筆者が購入できる数少ないdGPU搭載でゲームのできるノートPCです。どういう形であれ2-in-1でゲームも多少できるPCでデザイン的にもシンプルとなるとほぼ唯一の選択肢といえます。
とはいえゲームをやりこむにはやや物足りないGPU、冷却、ディスプレイ性能、2-in-1ながら持ち出しには全く向かない、悪く言えば中途半端なPCです。
据え置きPCとしては今のところ大きな不満はないので、しばらく使ってどうなるかですかね。