roricaの殴り書き板。

メモ用紙みたいな

NASを増強してみた

そういえばTS-133買った記事書くの忘れてました

 

 

現環境

QNAP TS−133にIntelのD3-S4510 3.84TBを1枚入れて使っています。TS-133は1ベイ仕様なので2枚以上入りません。

このNASはあくまで直近のものかつOS跨いで共有する可能性が高いデータのみ保管する想定で、その他のファイルは転送速度や容量重視で外付けHDDやSSDに入れていました。

 

問題点

上記運用していて思ったんですが、外付けストレージってOS跨げないんですよ。

ExFATがあるでしょ?ってなりますがヤツはMicrosoftが仕様公開したのが2019年と比較的最近というのと、ジャーナリング機構が無いという2点で正直信用に値しません。

そして外付けストレージは暗号化したいのですが、WindowsのBitLocker To GoはMacやiPadで使えないですし、APFSの暗号化はiPadでは読めますがWindowsでは読めません。

ASM2464PDなケースもいい感じに増えてきたのでWindowsMacで完全にファイル管理を分けようかとも考えたのですが、これが言わずもがな不便で仕方ない。Win←→Macのデータのやり取りでわざわざNASに上げるか、exFATの非暗号化USBを使うかという二度手間もしくは本末転倒手段を取らねばならず、その上でSSDとケースを無駄に消費するという始末でした。

とまあ、「想定外だった〜汗汗」みたいな感じで書いてますが、普通に考えればわかることです。

この運用の数少ないメリットとしては、速度と整合性と機密性の観点からは最強でした。

 

改善案

個人的にexFATとかUSBメモリはデータ管理の観点からは論外なのでナシ。

となるとNASをどうにかしようとなる訳です。元々TS-133はお試しで導入したケチNASなので1ベイ1GbEと、元々10TBを超えるHDDとかUSB4なSSDでやり取りしていたデータを入れるとなると容量速度共に少々厳しいです。

ただこれ、力を入れれば相当良い方向に転ぶのではないかと思い重い腰を上げることにしました。

 

NASの条件

TS-133ではどうしようもないのでこれは機体ごと交換します。実はケチる案も検討して調べた結果USBアダプターで2.5GbEがいけるみたいな話もあったのですが、安定性とその他の拡張性を考慮するとショボすぎるので辞職してもらいます。

仕切り直して下記の条件に合うNASを迎え入れることにしました。

10GbE(実効転送速度がSEQで600MB/s以上)

SSDが使える

・4ベイ以上

10GbESSDが使えるという要件はほぼイコールです。というのは、別にSSD可を公言していない製品でも、物理的な課題さえ無ければ大抵使えるからです。ただ、認識するのとSSD本来の速度が出るというのはイコールではないので、実測600MB/s出る製品ならSSDの性能が活かせていると言えるでしょう。

4ベイ以上は文面以上の意味はありません。

 

ネットワークも見直す

筆者宅はAPとして使っているWX3600HPのWANポートが2.5GbEに対応している以外は基本的に1GbEです。WANがVDSLなので100BASEですが、今回ここはどうでも良いのでLANに絞った話。

実はLANケーブルだけは無駄にCat.6Aに統一しているので、ケーブル的には10GbEにそのまま対応するポテンシャルを備えています。これを活かしてRJ-45で既存のケーブルを流用し10GbEにしようかと考えていたのですが、RJ-45な10GbEは機器側の発熱が酷くてファン必須だの、消費電力がデカいだの、価格が高いだので碌な話が流れてきません。

調べたところSFP+で構築すれば上記問題3つがまとめて解決するようなので、RJ-45は見限って新たにSFP+で環境を整えることにしました。

 

NASの選定

10GbE化するにあたり、NAS以外のネットワーク機器は多種多様なのがゴロゴロ世の中に出ているので割とどうにかなります。ということで、流通数や要件が厳しくなりそうなNASの機種をまず決め、それからその他のネットワーク設備を整えていく方針にしました。

色々悩んだ結果、QNAPのTS-x73系が機能的にちょうど良さそうな感じでした。ただ、新品のTS-473Aは正直高いので中古で狩ることにしました。

ショップやフリマを見回った結果、中古のTS-673かTS-473AのALEXONの皮を被っている製品の2択になり、最終的にTS-673を購入しました。

TS-x73のA付と無印の違いは多々あるのですが、1GbE×4が2.5GbE×2になったところで10GbEにするので使わない、M.2 SATAがM.2 NVMeになったところでPCIe 3.0 x1なのでPCIeスロットに増設カード挿したほうが良い、Ryzen V1000は少し省エネですが電気代より本体価格の差の方が大きい。つまり、欲しければ増設できるし中古新品の価格差ほどの旨味も無いので型落ちで構いません。

TS-673はSATA 3.5インチベイを6スロット備えたNASです。6スロットも要るか?とは正直思いましたが、この時点ではSSDにするかHDDにするかすら決めかねていたので、どちらでも行けるようにと多めにしました。

根本的にTS-x73シリーズを決め打ちしていたのはPCIe 3.0 x4スロットを2本備えていたからです。10GbEはまだ一般的ではないので標準搭載だと製品が限られるほか、SFP+で行くとなるとさらに標準搭載は絶望的になってくるのでPCIeカードでいけるのであればそれが良いという判断です。同じことを考える先人はまあまあいたようで、TS-473にMellanox ConnectX-3を増設して使用しているという情報がチラホラありました。最新のQTSで塞がれる可能性は無きにしも非ずですが、ある程度動作の確認がされているのであれば多少安心して手を出せます。

蛇足ですが、TS-673のPCIeスロットは見た目上x8ですが、実際に結線されているのはx4です。

 

NASの増強品の調達

10GbEカード

写真撮るときに横着していたので余計なものが写っています。

まずはMellanox ConnectX-3を購入。OEM品らしくHPのロゴが入っていますが、特にベンダーロックとかの問題はなく認識しました。このカード自体はPCIe 3.0 x8を要求しますが、10GbEシングルポートで使うなら、x4の16Gb/sで十分でしょう。

ちなみに2ポートな理由は後々リンクアグリゲーションで遊ぼうかなーと考えたからですが、今のところそのつもりはありません。

 

メモリ

TS-673はDDR4-2400 SO-DIMMに対応しており、スロットは4本あります。そこに2GBのものが2本ささった状態で届きました。正直NAS以上の機能を求める予定はないので4GBで十分なのですが、DDR4-3200の8GB×2なら資産として腐らないだろうという意味不明な判断によりDDR4-3200の8GBを2枚買って16GBになりました。

メモリは価格が高騰するギリギリ前でしたが、DDR4の生産が薄くなってきたこともあり新品は高価でした。ので、中古で型番が同じのを2枚買いました。DDR4なので最悪ロットが違っても問題ないでしょう。

 

ストレージ

かなり悩みましたが、HDDの駆動音は不快ですし画像等の細かなデータも入れるのでSSDにしました。

本案考案当時は某中古ショップでIntelのD3-S4510 3.84TBが割と安く安定的に手に入っていたので、これを5本追加購入。手持ちのものと合わせて6本にしました。

余談ですがD3-S4510には一定時間使用すると自滅するファームウェアが一部存在するので使用する方は気を付けてください。

 

ネットワーク機器の選定

宅内すべてを10GbE化する必要は全くないので、必要な箇所だけ都度増強する作戦でいきます。最低限NASとPCを10GbEで結べれば良いです。

 

大陸製のよくわからないSFP+ 8ポートハブ

ONTIというブランドから出ている、ONT-S508CL-8Sという恐らく八丁ハブの親戚であろう製品です。ネットワーク機器なので本当はNetgearとかの多少信用できるブランドが良かったんですが、総じて高額なので諦めました。

ところで付属のACアダプターはプラグ部分に穴が開いていない電気用品安全法違反の製品です。国外の製品なのでこの法律の適用対象ではないほか、使用者側に罰則が無いのでそのまま使います。中古で売るときとかどうなるんだろう?

 

大陸以下略SFP+ 2ポートUSBアダプター

もはやブランド名すら忘れたSFP+を2ポート備えたUSB Type-Cアダプターというか、装置というか。型番はDTB3F21。Intel 82599ES搭載らしいです。これもリンクアグリゲーションで遊べるように2ポートにしていますが、たぶん使うことはないでしょう。

ところでこれ、消費電力がまあまあデカいようでSurface Pro 10のThunderbolt 4ポートに接続しても動かないんですよね。Thunderbolt 4ドック経由だと動くのと、EliteBook x360 1040G8のThunderbolt 4ポートだと動きます。何だったらEliteBook x360 1040 G6のThunderbolt 3ポートでも動くので、USB4とはいいつつ内蔵コントローラーはThunderbolt 3と思われます。

ドライバーの導入はややわかりにくいです。Intel Ethernet Adaptor Complete Driver Packをダウンロードします。ここでダウンロードしたEXEを実行してしまうと対象機器が無い的ないい加減なことを言い出します。ただ、ドライバーファイル自体はあるようで、デバイスマネージャーからドライバーの更新をして、解凍したフォルダーのパスを指定してやると入ります。ドライバーをあてると、Intel(R) Ethernet Server Adapter X520-2として認識されます。

ちなみにコイツはアリエクで買ったもので製品ページにドライバーのインストール方法が書かれているのですが、Intel公式ページ以外のドライバーを案内していてあまり信用できないのでIntel公式から入れることにしています。

 

SFP+ケーブル

SFP+の導入は初なのでケーブルも購入が必要というのと、知識もないので色々調べました。調べた結果として、筆者の環境ではDACケーブルを使うのが取り回し的にも消費電力的にも良さそうだということになり、3mのものを2本購入。購入したケーブル本数からわかりますが、この時点でリンクアグリゲーションへの興味は完全に失せているので導入時点で使う気がありません。

ただ、設備的にはケーブル買い足せばいけそうなので、とりあえずこれで。

 

SFP+ to RJ-45アダプター

当然既存のRJ-45な設備とも繋ぐ必要があるので。これも調べるとこの手の製品は発熱が大きいらしく、これ買うくらいなら10GbE SFP+と2.5GbE RJ-45を備えたハブを買った方が良い…みたいな意見がありました。

一方で80m対応の長距離用アダプターを短距離で使うと低発熱で動く的な意見を見かけたので、これでいくことにしました。家庭用のUTPケーブルでの使用に適しているのかは知りません。使えればOKです。

 

NASから弄る

ALEXON製なのでQTSを焼く必要がある…なんてことは無く、前オーナーが既に焼いていたのでそのまま使います。

ホコリまみれで気になったので、全て分解して清掃しました。リアルで3時間かかりました。あと組み立てたらねじが余ったのでもう1回ばらして組み立て直す羽目になりました。

 

SSDの取り付け

優柔不断な筆者はNAS到着後もストレージ構成をどのようにするか決めかねていました。
今回はせっかく10GbEにするのでRAID0で運用してバックアップはRAID外のHDDに取ろうという方針は決めていました。ただ、バックアップ用のHDDをNASに組み込むか(意味ない気もする)、外付け化してNASに常時接続するか、完全外付けにしてPCからバックアップを取るかの3択で悩んでいました。

そういうこともあっての6ベイNASなのですが、最終的にはD3-S4510を5台搭載して余りの1台は予備としました。

D3-S4510はSATAとしては速度が頭打ちなので1台でだいたい550MB/sくらいで転送できます。これをRAID0で繋ぐので、実効速度は10Gb/sを超えますし、リンクアグリゲーションをしても余裕があるくらいです。ただTS-673を分解清掃したときに気付いたのですがSATA端子が6台分すべて、内部的にはPCIe x4っぽい何かで繋がっているので、TS-673の性能的にも色々な部分で頭打ちになっていそうだなと。

バックアップHDDは当面は手持ちの外付けHDDでカバー可能なので、引き続き検討。

TS-673は2.5インチにも対応していることになっているので普通に取り付けは可能なのですが、3.5インチ用の器具と干渉するのでこれを外す必要があります。

 

正直この程度の作りでで2.5インチ対応を謳えるなら世の中の大抵のNASは2.5インチ対応謳っていいはずです。

RAID5にしなかった理由はランダムの速度を稼ぎたかったのと、可用性はそこまで重視していないためです。RAID5はパリティ生成の処理が入る都合上ランダムだと割と書込み速度が低下します。これだとSSDの恩恵があまり受けられなくなるのでRAID5は無いだろうという判断に至りました。あとはディスクが1個ずつ丁寧に昇天する保証はどこにもなく、RAID5で無駄な安心感を得るくらいなら最初から信用ならないものとして運用していた方が安全でしょう。

 

10GbEカードの取り付け

PCにPCIeカードを増設するのと大差ないのですが、取り付け時に電源が邪魔なので外す必要があります。Mellanox ConnectX-3は装着するだけでQTS側から認識されました。

 

10GbEスイッチも弄る

今回購入したのはマネージドスイッチなので、PCから色々弄れます。というか弄らないとまともに使えません。

一点ハマったのが初回の接続です。このハブがなのかSFP+という規格がなのかは知りませんが、ポート毎にケーブルの種類や長さを指定する必要があるようです。

これのせいで初期設定のためにSFP+ケーブルでPCと繋いだ際にリンクせず、最終的にはRJ-45の変換アダプターを使用してRJ-45で接続することでコンソール画面に入ることができました。

 

使ってみる

NASとネットワークともに準備ができたので、適当にNASとPCとでファイルを行ったりきたりさせてみましたが、シーケンシャルなら10GbEの上限値に近い速度で転送ができていました。が、CDIで記録とったときは何故か遅く、下記のような感じになりました。

Intel D3-S4510を5台横並びにしていることもあり、試しに4TBくらい一気に書き込んでみても速度低下は起きずに安定して動作していました。

メモリ使用量は16GB中2GB以下と、かなりもったいない状態です。今回は入手性が悪いので無視しましたが、実はECCメモリもいけるらしいです。

10GbEカードは何もしなくても勝手に認識して使えます。

 

その他

RJ-45変換アダプターは当初大陸以下略ハブに繋いでWX3600HPのWANポートと接続していました。しかし相性が悪いのか、ここを直結するとWX3600HPの2.4GHz帯が不安定になるという謎の不具合に当たったので、RTX1210側に接続することで解消しました。WX3600HPの2.5GbEなんて名ばかりの2.5GbEなので、大差ないでしょう。

 

他機種も検討はしていた

DXP4800 PlusとかのUGREENのNASが良さそうだったのですが、物理的な拡張性でTS-x73系に劣るのと、NASはやはりQNAPにしておきたいという根拠なしのこだわりにより没案化しました。

 

総評

コストがかかっているように見えて実はNASと設備まとめても6桁円かかっていないという、想定よりも遥かに安く10GbE環境を整えることができました。むしろSSD ×6台が6桁円になっているので、まあこれはどのNASだろうと共通にかかる部分なので仕方ないということにします。

今まで外付けSSDと外付けHDDを繋ぐ必要があった作業が、どのみち接続するLANに1本化されたのはかなり大きいです。転送速度はASM2464PDなSSDケースからは見劣りするものの、HDDはおろかSATA SSDよりも高速かつ安定して転送できる点は素晴らしいです。Wi-Fiでも飛ばせるので、ノートPCだけでなくiPhoneからでもアクセスしやすくなったのはかなりの利点です。

その上で駆動音も静かなのでオールSSDにしたのも結果的に正しかったと言えそうです。

とはいえ、恐らく5年以上は稼働しているであろう中古TS-673とサーバーに突っ込まれていたであろう中古D3-S4510、耐久性未知数な大陸性ネットワーク機器という感じでいつまで安定駆動させられるかが分からないのが最大の弱点ですね。早急にバックアップについて策を練らなければなりません。