roricaの殴り書き板。

メモ用紙みたいな

Anker Nano II 65Wを買ってみた。

本当は白が欲しかった。

 

経緯

主はiPhoneiPadのみならずよくノートPCを持ち出すため、出先でも充電器が必要です。主愛用Inspiron 14 7420 2-in-1はコンパーチブルノートのクセに65W欲しがるのです。DELL純正のACアダプタはパック部分が巨大な上にケーブルがぶっといので持ち出したく無い。ので、RAVPowerなるところのRP-PC133というUSB PD充電器を使っていました。しかし主も人間、楽したい欲が出てくるものでより小型なものが欲しくなった。

欲しいなあとは結構前から思ってたので、トリガーとなったのはやはりiPhone 15 ProのType-C採用が確定したこと、そしてAmazonでセールをしておりKeepa上では過去最安タイを記録していたことですかね。

 

買った

パッケージは簡素な、外箱だけだと何だかわからないヤツ。最近流行りの、ユーザーよりも環境に配慮するタイプのデザインですね。

本当はホワイトが欲しいんだけど、ホワイトもセールしてよ。

付属品は取説っぽいのくらいです。

GaN採用で小型を謳っている65W USB PD充電器です。正直 "Anker Nano II 65W" でGoogleで調べられてもこの記事が日の目を見ることはないだろうなというくらい触れている人が多い、有名で定番な充電器なのであえてこの記事で書くこともないし記事立てる必要もあったのか疑いながら書いてる。

 

Anker Nano II 65Wの仕様

型番的なものはA2663113で、USB PDの対応出力は

5V=3A

9V=3A

15V=3A

20V=3.25A

です。Anker Nano II 65Wは製品名の通り65W出力なので、PDP Ratingは60W≺x≤≦100Wに含まれます。Optional Voltageは一切採用しないという、USB PDだけを見ればすっきりした充電器です。ただ、すっきりしすぎてNano II 30Wとか45Wとか、PowerPort III 65W Podとかで対応していたPPSまで削ぎ落としています。周辺のモデルがPPS対応のものが多いのに何故...?感がすごい。

PPSは対応していないことになっていますが...。

 

USB PDの規格には違反している

e-Marker入りの5Aケーブルを用いてテスターで対応規格を調べてみました。

Apple 2.4AやQC2.0, 3.0, 4+等USB PD以外の規格にも対応しているのでUSB PD的には仕様違反です。が、爆発とか発火とかに繋がるかと言われるとそうではないので主的には問題ないでしょうとしています。

ちなみにVBus Hotではありません。

 

PPSに対応している

さっきの写真をじっくり見た人やQC4+で「ん?」って思った方もいるかと思いますし、何より見出し通りなのですが、実はPPSに対応しています。ただし、かなり実装が中途半端です。

5Aケーブルを用いた場合、PPSは

5V-11V 5A

5V-21V 3A

の2つが通知されます。実はPPSは規格上電圧を3.3Vまで落とせることになっており、ほとんどのPPS対応充電器がこの3.3Vまで落ちるようになっています。しかしご覧の通りAnker Nano II 65Wは5.0Vまでしか落ちません。この仕様は実害が出ているようで、Galaxyシリーズを充電すると、充電停止を繰り返すみたいな事例をレビューで見かけました。PPSで5A出力とかGalaxy意識してそうなのに。PPS対応機器で使うのはあまりお勧めしません。

 

外装表記

対応出力と菱形PSEマークはあるものの、PPSについての記載はありません。PPSで拾ってしまう機器がある以上、というかPPSが実装されている以上PPSについても記載するべきです。

 

3Aでの挙動

 

使用ケーブルはApple渾身のe-Marker無しケーブル、早い話iPad Pro 第4世代の付属品です。e-Marker無しなので3Aまで流れます。

USB PDはPPSも含めて3Aまで制限されます。この辺りは流石Ankerです。

 

総評

主の評価は "期待は越えない" です。

Nanoシリーズではあるものの45W以下の同シリーズと比較するとやや大型かつ重みがあります。ただし65W充電器としては小型でスイングプラグであるため、持ち運びに最適なのは間違いありません。発熱はします。かなりの長時間この充電器で、高負荷をかけるような使い方はあまりよろしくない気がします。

残念というか、邪魔というか、PPSはしっかりと実装するか、無しにするかのどちらかにしてほしいです。中途半端な実装で不安定な動きをしている組み合わせも存在するようなので、PPS対応としてしっかりとした実装で売り出すか、PPSを封印して販売するか、どちらかにしてほしい。外装に書いてなきゃ、商品説明に書いてなきゃセーフではありません。

小型で持ち運びしやすいという点は期待通りです。ただしPPSが邪魔で、対応機器を持っていなくても、この充電器のユーザーとしては気になります。