Acerて社名はイロハモミジから取ってるとか取ってないとか。
経緯
経緯も何も安いPC見つけたら人間飛びつきたくなるものです。
ミニPCの置き換え用とか、そんなのは後付けの理由です。
買ったの
AcerのAspire 5シリーズ、A514-55-H58Yというモデルです。
特筆すべきは価格
Core i5-1235U搭載のノートなんて世の中に星の数ほどある訳ですが、その中でこのモデルを選択した理由について。タイトル通り、コスパが良さそうだからです。
販売ページは ここ 。
Joshin限定で期間限定扱いとはいえ、このPCは新品で54,800円で購入できるという破格の安さです。ポイントが548ポイントつく他、主が買ったときは1,500円引きの謎のクーポンもあったため53,300円で買えました。クーポンをぶつけると還元されるポイントが減りますが、普通に値引き額のほうがデカいので気にしない気にしない。
有名どころのメーカーから出ていて、しかも第12世代 Core i5-1235U搭載となると、なかなか安い気がする。
値引き前は価格.comによると59,800円で売られていた模様、十分これでも安い。
付属品
・45W ACアダプタ
・HDD取付ねじ
・紙類
わざわざ封筒に入ってるとか、コッソリOfficeのライセンスキーでも入れてくれたのかと期待して開封したら取説みたいなのが入ってた。そういう訳 (?) でOfficeは付いてないので注意。
ノートPCで2.5インチ用取付ねじ付属してくるって珍しい気がする。
構成
CPU : Core i5-1235U
RAM : DDR4-3200 8GB(オンボード) スロット数:1(空き:1) 増設不可
SSD : 512GB M.2 (Type 2280) PCIe NVMe
OS : Windows 11 Home
LCD : 1920×1080 IPS非光沢パネル 約1670万色
パワー不足になりにくいCPU
Core i5-1235Uは位置づけとしてはAlder Lake-Uに所属します。Alder Lake-UはTiger Lake-UP4の後継なので、グレード的にはかつてのYシリーズつまり超低電圧版に位置します。しかしコア数の増加やMTPが55Wになっている等もはや低電圧の面影はありません。プロセッサ名に "U" を冠していても全く恥ずかしくないプロセッサです。
Pコア2C4T+Eコア8C8Tの計10コア12スレッドの、Alder LakeらしいヘテロジニアスCPUです。実力的には前世代のCore i7-1195G7をシングルとマルチともに超える実力を持ちます。正直Tiger Lakeって何だったんだろうと思えてしまうくらい。
ただし、Core i5-1235Uの実力はメーカーによるチューニングでそれなりに差が出るようです。例えば、主が去年から愛用しているInspiron 14 7420 2-in-1も同じくCore i5-1235Uを搭載したノートPCですが、動作の傾向がこのAspireとは違います。Inspironは電源接続時はPコアEコアともにすべてのコアが動作しておりコアが保留状態になることは滅多にありませんが、Aspireの場合は電源接続時でもPコアEコアともに、数コアがスリープになることがあります。
実質P:2C2T E:4C4Tくらいで動いてる。
InspironはACアダプタが65WでAspireは45WなのでInspironはパフォーマンス寄り、Aspireは省電力寄りに振ってるのかもしれない。というように、メーカーごとにある程度パフォーマンスと消費電力のバランスが調整できるようになっているため、Core i5-1235Uがすべてベンチマーク通りに動くとは限らない点は注意が必要です。Core it-1235UのMTPが55Wだからって、全機種で55W出る訳じゃあない。45Wアダプタでどうやって動かすの?って話です。あくまで上限が55Wという話、MTPはマストではありません。
じゃあInspironとAspireで体感で差があるかと言われたら、別にない。
Aspire A514-55-H58Yには上位機種でCore i7-1255Uを積んだA514-55-H78Yというモデルがあります。Core i5-1235UとCore i7-1255Uの差を考えたとき、誤差レベルの性能向上とIris Xe実行ユニット数の違い程度しかないため、少なくとも15,000円の差額ほどの魅力はないように思います。特に、後述しますがシングルチャネルで使うならIris Xeの差すら無い気がする。
意味不明な記載のメモリ
メモリはDDR4-3200の8GBです。
正直8GBは今の時代なかなか苦しい気がする。これだけなら、ああちょい容量ショボいなと思うだけなのですが、ぱっと見だと「んあ?」って感じの記載があります。
システムメモリー
これが意味するところは8GBはオンボードで固定なのでどう頑張っても動かせないけど、1スロットは着脱可能なスロットがあるよ、そして空いてるよというお話です。これ自体は稀によく見る構成で、8GB増設しないときれいなデュアルチャネルにならない、そしてメモリ型番を合わせるのが限りなく不可能に近い割と迷惑構成です。そして、「んあ?」から「あ?」に代わる記載が
メモリー注記事項
製品の仕様によりユーザーによるメモリーの変更および増設はできません。
空いてんだったら埋めさせてよ。かるーく調べてみるとこの機種にはメモリ16GBの上位機種があり、そちらはこの空きスロットを埋める形で16GB構成になっているようです。製品の仕様とは何を指していて何を以て増設不可としているのかはわからないものの、意味もなくシングルチャネルで空きスロットを作るとは思えない。つまり...
シングルチャネル時のIris Xeの動き
この機種のiGPUはIntel UHD Graphicsということになっています。
Core i5-1235UのiGPUはIris Xeでは?となりますが実は罠があります。あまり知られていませんが、Iris Xe Graphicsはメモリバス幅が128bit未満の場合はIntel UHD Graphicsとして動作します。メモリバス幅は1スロットで64bitなので、早い話がデュアルチャネルつまり2枚挿し以上にすればIris Xeとして動作します。
Intel公式によると、シングルチャネル時は実行ユニット数が80未満になるようです。つまりCore i3以下のグレードのiGPUと同等になるのかな?
ただ、Iris Xeの性能はお世辞にも高いとは言えないため、実行ユニット数が変わろうと実用上はあまり差が出ないというのが主の考えです。ベンチマークとかとれば数字に表れるとは思います。ただ、それが実用上体感できるのか?と問われるとそれは別問題です。第一、事務用途でIris Xeを使っていて、フルで使い切ることなんてそんなにありません。重めの3Dゲームとかするならばフレームレートとか多少は差が出ると思いますが、Iris Xeでゲームをするというチョイスがまず間違ってます。Iris Xeは事務用途向けのiGPUと思って使ったほうが間違いなく幸せです。
SSDはPCIe3.0x4
SK hynixのHFM512GD3の512GBが搭載されています。恐らくBC711シリーズ、詳細を知りたいけど公式が製品ページを何故か消しているので不明。Samsungもそうだけど製品ページ消すのやめてほしい。
ユーザーレビューとかを見てみるとシーケンシャルでは2000~3000MB/sと、Gen3 SSDとしては標準的な速度が出るようです。ワンチップSSDでDRAMレスでHMBぽい。SK hynix製なので問題ないとは思いますが、詳細不明なので是非換装したいですね。そうでなくても主は出荷時に載ってたSSDは外して保管しておく派なので。
手のひらクル~しますと、PC本体の価格から考えればなかなか良いSSDが載ってると思います。確かにBC711の詳細は不明なものの、SK hynix製で512GB、速度もPCIe 3.0としては恥ずかしくないくらいの性能は抑えているSSDです。SSDなんて品質を落とそうと思えばどこまでも落ちていくので、そんな中でこの安いPCで大手メーカーのSSDを搭載しているのは評価に値します。
FHD液晶はもはや最低限
衝撃だったのが令和も5年になったというのに未だにFHDに満たない液晶を積んだ現行ノートPCがあること (この機種のことではない)。もはや使わせる気無いとしか思えない。
今回のAspireは流石にFHDを積んでいます。1920×1080 (16:9) 液晶は今となっては最低限欲しいラインです。その最低限です。主は13.3インチ程度のPCであればFHDでもスケーリング無しで十分読めるため、等倍で使っています。ただ、同じ14インチでもInspironは16:10なので、Aspireの16:9は若干の窮屈さは感じます。
ディスプレイはIPSパネル非光沢です。主は少なくともノートPCでは光沢よりも非光沢派、そしてIPSパネル派なのでうれしい要素です。リフレッシュレートは60Hz、色深度は8ビットで約1670万色、SDRです。雑感やや発色は薄い気がします。
液晶パネルは必要最低限、でもこの価格帯なら普通にうれしいラインの品質です。
インターフェースは実用性高め
左側面奥から...
DCジャック
RJ-45 (1000BASE-T)
HDMI 2.0
Standard-A (USB 5Gbps / 電源オフ給電機能付き)
Standard-A (USB 5Gbps)
Type-C (Thunderbolt 4)
まず、使用頻度が高いポート類が左側面に集中していることが評価が高いです。理由は簡単で、右側面だとマウス操作時に邪魔だからです。どこのメーカーとは言わないけど、右側面手前にUSBポートを設置する、それ製品実際使ってテストしてる?みたいなPCはチラホラあります。
最近のPCはUSB PDで給電するものが増えてきていますが、このPCは電源専用のDCジャックを備えています。付属の45W ACアダプタで使えます。
RJ-45は1GbE対応、HDMIは2.0対応です。このポートは省かれているPCが多い、または規格がケチられている製品が多い中で実用性の高い水準のものが搭載されています。HDMI 1.4とか積まれた時には邪魔なだけなので、4K 60Hzに対応したポートがあるというのはありがたい。
USB Standard-Aは2ポート、どちらも5Gbpsで奥のポートは電源オフ給電が使えます。
このPC購入の決め手の一つとなっているのがやはりThunderbolt 4です。USB4 40Gbps、DisplayPort、USB PDを1基で実現してしまうThunderbolt 4ポートはついていて損することはありません。現代の、ポート控えめPCの心強い味方です。Thunderboltが使えるのはIntelマシンならではです。(AMDマシンでも稀にあるらしい)
欲を言えば、外付けSSDを多用する身としてはUSB 10Gbpsに対応するポートがもう1つあると嬉しかった。
右側面奥から...
ケンジントンロック
Standard-A (USB 5Gbps)
3.5mmジャック (イヤホン/マイク共用)
ケンジントンロックとかRJ-45とか、インターフェースがやや事務寄りな印象を受けます。
右側面のポートは中央あたりにあります。イヤホンジャックの位置はやや邪魔になる気はするものの、許容範囲ではあります。
イヤホンジャックは本体スピーカーとイヤホンで別系統で扱ってくれるタイプです。音量や設定を個別に管理してくれるので 「イヤホン挿したらスピーカーの音量引き継がれて鼓膜おたわ」みたいな事故が起きません。
ステータスランプは3.5mmジャックの手前にあります。右側面についてて見にくいというレビューがあった気がしたけどそもそもついてないPCも多いので付いてるだけ良い方だと思う。
イヤホン接続時はAcer TrueHarmonyがオンになっていると変な音になったのでオフにしました。
その他機能
内蔵マイク
キーバックライト
Wi-Fi 6Eに対応しています。
Wi-FiカードはまさかのMediaTek製MT7922です。てっきりAX211なのかと思ってたら違うらしい。性能は大きくは違わないと思うのでまあどっちでもいいか。ハード的にはBluetooth 5.3に対応してるっぽい?
Webカメラ、内蔵マイクは普通です。最近のPCなら大抵ついてます。一つ気になったのはマイクには機能キー側でマイクOFFの設定があるものの、カメラは物理プライバシーシャッターがありません。カメラの動作ランプはあります。
キーバックライトは、もうこの価格帯のPCにも付いてくるんだなと感心しました。明るさは 消灯→暗→明 の3段階で切り替わります。BIOSの設定次第ですが、無操作時には自動消灯します。ただ、やや実装が雑なのか、自動消灯した後キー操作した際の点灯がやや遅め。また、Windowsを再起動するとキーバックライトの設定が揮発して勝手にオンになるという地味なマイナスポイントがあります。
タッチパッドはジェスチャー対応です。ジェスチャー非対応とでは操作の快適性が全く違うので主の中では必須機能の1つになっています。
指紋認証はタッチパッドの左上寄りに埋め込まれています。Windows Hello対応、認証精度はサイズの割に良好で、ほとんど弾かれません。弾かれても2~3回指をあてなおせば通ります。
他に書く場所がないのでここに書くと、キーボードは表記がややゴチャゴチャしている印象です。半面、フォントはややヒョロヒョロしているので視認性がイマイチです。また、他言語キーボードと設計が共通化されており、右側のキーはかなり詰められて配置されています。RAltキーがないことや機能キーに再生コントロールがない点、FnLockがキーボードから操作できない点については評価低めです。
打鍵感は重すぎず、かといってしっかりと押した心地があるので使いやすいキーボードです。
買ってからやったこと
新品状態だと使いにくいことがあるので、自分でやったこととか。
フィルム貼った
まず液晶画面は傷でもついた日には立ち直れないので14インチのフィルムを買いました。今回はいつものデカめの液タブフィルムを買って切って貼るいい加減な方針ではなく、最初から16:9 14インチ用のフィルムを買いました。本体が非光沢なのでフィルムも非光沢のものをチョイス。
そしてタッチパッドにも貼った。こっちはテキトーなスマホのフィルムを買って指紋認証部分は切り抜いて貼りました。
リカバリディスク作った
回復ドライブというWindows標準機能で簡単に作れるので、作りました。Windowsだけでなくメーカーのカスタム部分とかドライバまでまとめて作れるので優秀です。最近はリカバリ領域もデカいので32GBのUSBメモリを要求されることが多いのですが、今回は16GBで済みました。
プリインソフトを消した
スタートメニューに存在する、この機種特有のプリインソフトは別に消しても良いソフトと、消すとかえって不便になるソフトがあります。
消すと不便になるソフトは
・Acer Purified Voice Console
・Care Center
・Intel Optane Memory and Storage Management
・Quick Access
・Realtek Audio Console
です。これらはPCの設定の変更に使えるので消さない方が良いと思う。Intel Optane以下略はお好みで。その他のAcer製ソフトとかMS製お節介ソフトは消しても問題ありません。
あとマカフィーも消した。
この中だと
・App Explorer
・User Experience Improvement Program Service
・マカフィー リブセーブ
は消しても良いヤツです。
Fnを入れ替えた
デフォルトだとF数字ではなく機能キーに割り当たっています。主は逆のが良いので、標準でF5とかを押せるようにBIOSで設定を変えました。
UEFIでGUIが多いこの時代に、BIOSって感じのUIが見れると思わなかった。
MainタブのFunction key behaviorをMedia keyからFunction keyに変えると、デフォルトでF数字キーが割り当たります。
ハード面を弄ってみる
この項目ではPCを分解していますが、保証対象外になる可能性がある行為なので、自己責任でお願いいたします。
VOIDシールがあるけれど
AcerのPCはVOIDシール所謂封印シールがついていることが多い印象で、今回も例外ではありません。
ただ、今回のPCは付属品に明らかに2.5インチディスク用であろうネジが付属されています。付属品の名はずばり "HDDアップグレードキット (一式) " 。封印シール剥がさないとHDD増設とかできないのにどういうつもりなのか?と思って調べると、どうやら分解した程度では保証は切れないようです (保証が切れない保証はしない) 。Acerが気にしているのは、ユーザーによる作業中の事故のようで、「SSD換装してたら静電気で壊した」とか「端子折れた」とかそういうのの保証はしませんよという話のようです。VOIDシール壊して裏蓋開けるのは公式で明確にOKと言っている記述は見つけられなかったものの、HDDアップグレードキットとか付属して、換装方法まで案内しているあたりまあ黙認状態程度ではあるのでしょう。という訳で
グサッ
ガバッ
メインボード部分がかなり小さいながら、SO-DIMMスロットが1つ、2.5インチ用スペースがあり、M.2 SSDは2280、Wi-Fiカードも (物理的には) 交換可能な構造です。CPUグリスの塗り替えすら容易にできそうな構造で、14インチながらかなり自由度が高そうです。バッテリーもそれなりの面積を占有しています。
ヒートパイプ部分をよく見ると何やらチップが載りそうな箇所が。
上位機種だとdGPU搭載とかあるのかな?
まずはメモリ増設
載せるだけの簡単作業なのでメモリを増設してみることにします。今回は既にオンボード8GBで固定されているので、容量だけでも揃えようということで8GBのDDR4-3200なメモリを用意しました。
CrucialのCT2K8G48FS832Aです。Micron型番も存在するようで裏面は
MTA8ATF1G64HZ-3G2R1です。両面実装ながらシングルランクなメモリとなっています。本当はできるだけ他の要素も合わせたかったんですが、CPU-Zとかだと詳細が読めなかったので諦めた。
Acerが言うところの増設不可、が何を指すのかがよくわからなかったので若干怖かったものの、普通に認識、デュアルチャネルで動きました。
ただ、一つ気になるのがよく見るとGear2で動いています。Inspironの時はDDR4-3200でもGear1だったのでAlder LakeはGear1での動作に対応していると思うのですが、それを設定できる項目もBIOSで見当たらなかった。
iGPUは無事Iris Xeになりました。
次にSSD
SSDについては2280だし、注記もなかったのでメモリよりもハードル低いだろうと思っていたらこれが大きな間違いだったことに後で気付く。
実は動作確認の時点で気になっていたことがあり、CDIから転送モードが読めなかったんですよね。これの対応規格次第でGen4 SSDふざけて買っちゃおうかな~なんて考えてたんですが、転送モードがよくわからなかったので結局家で余ってたEXCERIA PLUSを載せることにしました。主はDRAM付きSSDに異様なまでに執着しているので基本的にDRAMレスSSDはHMB対応だろうがSATAだろうが使いません。
まず物理的問題が起きる
薄々勘付いてはいた点、このPCは両面実装SSDは載せられません。EXCERIA PLUSを載せてみたところ裏面のDRAMがメインボードに干渉した。
それならばとEXCERIA PLUS G2を載せてみたら、今度は2242用らしき取付部分とNANDが干渉した。
諦めて片面実装のEXCERIA G2を載せてようやく解決しました。
次にソフト面で問題が起きる
無事載ったのでWindows 11をクリーンインストールするべくUSBからブートした。まずタッチパッドが使えない。
タッチパッドがオフになってるのかと思ってFn+F10を押してみても変わらず、とりあえずキーボードでセットアップを進めてみました。そしてインストールするディスクを選ぶ画面になったとき、ディスクが無いと言われた。
ここでまず相性不良を疑ったのですが、ふとCDIで転送レートが読めなかったことを思い出した。これが原因なのでは。
クリーンインストールされたSSDを入れてみる
このPC単体でセットアップができないのであれば、別のPCでWindows 11をクリーンインストールした上で、そのディスクを移植するという方法をとることにした。やり方は単純で、別PCでSSDにWindowsをクリーンインストール→再起動→OSの起動を阻止する→電源を切る→SSDを戻す という流れでできます。OSの起動を阻止するというのがポイントで、インストール後に自動再起動がかかった際にBIOSのセットアップとか、ブートメニューに入ってその後電源を切ればOKです。一度でも起動してしまうとそのデバイス用にセットアップされてしまう、逆に言えばこの時点ではどのPC用にもセットアップされていないので他のPCに移そうが特に支障は無い訳です。InspironでEXCERIA G2にOSをクリーンインストール、その後Aspireに載せ替えたところ、EXCERIA G2からのブートには成功しました。しかしセットアップに入る前にINACCESSIBLE_BOOT_DEVICEが返ってきてしまい、使い物にならなかった。
これは2度試しても同じ結果だったのでOS破損とかでは無いと思う。ブルースクリーン画面も親しみやすくなりましたね。
リカバリディスクから起動してみる
このPCがクリーンインストールが不可能に近いヤバい機種であることは分かったので、別の方法を考えました。回復ドライブを使います。
まず、更地のSSDをAspireにセットします。ここまでの作業で割と時間がかかっており、日を跨いでいて外出イベントを挟んだので別のSSDを用意しました。ノートPCに1TBも要らない。1TBは外付けで使いたいので。
用意したのはSamasung 960 PROというSSDです。
これは2017年当時の高級機で、今となってはMLCって珍しいねくらいのSSDです。当時の高級機ではあるので速度はSEQで2000MB/s~3500MB/s出るという、今でも普通に使える水準のSSDです。あとMLCなのでSLCキャッシュとかの小細工が必要ない仕様上、ぶっ続けで書き込んでも速度低下しないという地味な利点も持っています。主大好きDRAMは512GBモデルだと512MB用意されています。ちとこわあじなのは古いことと突発的な故障が多々報告されている点ですかね。
無駄話が長くなりました。作業は簡単USB挿して起動するだけ。
そして立ち上がったらウィザードに沿って復元するだけ。
青背景の画面になったらSSD側で自走しているのでほぼ勝利です。少し待つと無事起動つまりSSD換装に成功しました。
CrystalDiskInfo上では960 PROとなっていますが、Care Center上ではHFM512GD3JX016Nとなっています。リカバリしたOSはBC711と接点が無いはずなんですけどまさかCare CenterのSSDの型番は取得せずに固定とか?これ増量換装したらどうなるのか気になる。物理的に換装可能なクセに換装すること想定してないんですかね?Care Centerはややいい加減な作りな気がしてしまう。ちなみにメモリは16GBと反映されています。
Samsung Magicianで960 PROは認識しましたが、インターフェイスとNVMeドライバーの項目は取得できませんでした。
クローンでもいけそう
試してはないけどディスククローンでも行けそうですね。クローンソフト用意する手間考えるとリカバリディスクのが楽だとは思います。
という訳で完成形 ↓
簡単にレビュー的な
良いところ
コスパが良い。これに尽きます。特別親切なPCという訳でもないものの、6万円を切るのであれば十分すぎるコスパの良さです。何よりCore i5-1235U搭載でThunderbolt 4ポートを備える点、そしてキーバックライトや指紋認証を備える等上位機種にも引けを取らない機能が付いている点はかなりの強みです。安価ながら個人用途でも事務用途でも、家でも出先でも活躍できるPCです。
また、(保証を無視すれば) 拡張性が高いのも利点です。2.5インチディスク用のスペースを備え、非公式ながらメモリ増設やクセがあるもののSSD換装も可能で、14インチながら自由度は高いです。特に最近はメモリどころかSSDまで弄らせる気のないPCが多いので、少なくとも主にとっては評価できる点です。
このPCはモダンスタンバイ諸々サポートしているのでデバイスの暗号化が使えます。
てゆかこれが利点に上がる時点でWindowsっておかしいよね。デバイスの暗号化くらい標準で使わせろ。
このPCはFn+Fを押すことで 静音→バランス→パフォーマンス の3モードで切り替えることができます。静かな環境でもPCを黙らせることができるので便利。
モダンスタンバイ中でもファン全開で騒ぎまくるInspironに対して、Aspireはモダンスタンバイ中はファンの回転が無いので、スリープになっている感があります。
充電制御も可能です。詳細な設定はできないものの、80%で充電を止めることはできるので、劣化防止には貢献すると思います。
気になるところ
プライバシーシャッターが付いていない、VOIDシールがある、あと個人的には再生コントロールが欲しかった。
ディスプレイは片手で開くタイプではなく、本体を押さえながらでないと開きません。
休止状態までの時間とオンオフを弄れないのが気になります。スリープで放置すると勝手に休止状態になっています。
そして何より回復ドライブを作っておかないとSSDのデータ飛ばした時とか、換装した時に詰む仕様はやはり気になります。SSD換装を考えていなくても、OS破損とかSSD故障とかは普通に使っていてもあり得る話です。そういう時に、リカバリメディアが無いとどうにもならない可能性が高い点は使っていく上で懸念点です。
そしてH.265に対応していないというトンデモ仕様でした。これはAcerが悪いというよりはMicrosoftが悪いのですが、実は2023年現在Windowsは未だに標準でH.265に対応していません。H.265を扱うにはMicrosoft Storeで120円で販売されている "HEVCビデオ拡張機能" を別途購入する必要があります。15,000円越の高級OSが笑わせてくれるものです。実この問題はPCメーカー側もやや気にしているようで、メーカーによっては出荷時点でH.265に対応させるべく "デバイス製造元からのHEVCビデオ拡張" というものがプリインされていることがあります。今回のAspireはこれすら入っていないので、WindowsでH.265を扱おうとすると120円支払う必要が出てきます。さらに衝撃なのは、これが導入されていないとHEIC画像ファイルも扱えないという点。
ちなみにこの仕様はWindowsが対応しないというだけであって、VLCとかのサードパーティアプリを使えば普通に再生できます。ただしサムネイル表示されません。これがWindowsです。ここまでくると、こちらとしても意地でもH.265に1銭たりとも払いたくない。
どっちとも言えないところ
まずスピーカー。本体スピーカーは本体底面についており音質は普通です。別に悪い訳でもないもののこれよりも音質の良いPCはあるので特別評価する要素がありません。
次にキーボード。打ち心地は問題ないものの視認性が微妙に悪い点と先述のキーバックライトの仕様が気になる。
そして主はあまり気にはしていないものの、このPCは最近のPCとしてはベゼルが太めの部類です。
良いところに書こうか悩んだ点、バッテリー持ちは普通です。事務用途で使う分には数時間は持ちます。特別持ちが長い訳ではない点は注意です。蛇足ですがバッテリー駆動中はEコアはほぼ動かず、Pコアでほとんど処理をしているようです。
価格帯考えると仕方無い点として、Officeが付属しないことは注意です。
本体は天板のみ金属で他はプラスチックです。14インチノートとしては特別軽い訳でもなく、重い訳でもない標準的なラインのPCです。持ち運びはそこまで苦にはならないと思う。
関係ないけどブート時のacerロゴが緑色で絶妙にダサい。
簡単にまとめると
◎驚異のコスパ
◎Thunderbolt 4
◎指紋認証あり
◎Wi-Fi 6E対応
◎即納 (記事執筆時点)
◎機能は中堅機種以上クラス
◎3.5mmとスピーカーは別系統扱いの出力
◎暗号化が使える
〇使い勝手の良いインターフェース
〇FHD IPS液晶
〇14インチで持ち運び可
〇1スロットのみメモリ増設可
〇SSD換装可 (注意点あり)
〇2.5インチディスク増設可
〇マイクミュートボタンあり
〇SK hynix製512GB SSD
△Office無し
△プライバシーシャッター無し
△メモリ8GBはやや不足
△出荷時点ではシングルチャネル
×VOIDシールあり
×H.265非対応
×リカバリディスクが無いと詰む可能性あり
A514-55-N58Yとの違い
Amazonで売られているA514-55-N58Yとの違い。約6万円で売られているのであちらの方が高機能なのでは?と思ったら実は指紋認証搭載の有無の違いでした。A514-55-N58Yは指紋認証非搭載です。余程Joshinが嫌だとかでない限りはA514-55-H58Yのが安くて指紋認証も付いてくるので、こちらをオススメします。H58Yが異常なだけで、本来はN58Yも十分コスパ良いはず。
総評
円安の時代の今、5万円台でここまでの性能、機能を持ち合わせたPCはなかなか無いと思われます。家でも外でも、個人でも事務でも、メインPCにもサブPCにもなり得るオールラウンダーなPCでもあります。ただしゲーム用途には向きません。じゃあオールじゃないじゃん。
メモリ8GBは心許ないものの、SSD 512GB搭載でありCore i5-1235U搭載である点は現在売られている格安PCが「何だったの?」と言えてしまうほどのコスパの良さです。コスト相応となっている部分としてはプラスチック多様で狭小ベゼルとは言い難い外装、プライバシーシャッターが無い点等に出ています。そしてSSD周りの仕様と、感じの悪いVOIDシールは気になります。
自己責任ではあるもののメモリの増設をすれば実用性は一気に上がりますし、SSDの換装も不可能ではなく、14インチながらカスタマイズ可能な点は主のような勝手に弄りたいユーザーでも満足できる点です。8GBのメモリ増設しても合計6万円は超えません。
ところどころ気になる箇所はありますが、価格を考えれば納得できる内容です。高コスパな14インチノートを探していた方、如何ですか?