roricaの殴り書き板。

メモ用紙みたいな

ELECOMのポータブルSSDがアレなのでいじってみた。

アレのアレがアレなんです。

 

 

 

事の始まりは格安中古SSD

ポータブルSSD欲しいなーって時に中古で連れて帰ったのがESD-EJ0500GBK。安いのとコンパクトなのが良くてほぼ何も考えないで買ったけど面倒なことになった。

 

PCに接続しても認識しない

WindowsなPCに接続すると、通電はする。ハードウェアを安全に何たらにも出てくる。しかしエクスプローラーには出てこない。ディスクの管理はフリーズ。あ、これダメだあ。

ハードウェアを安全に何たらを開くと、ボリューム名が出てこない。当たり前ですが、ボリューム作ってないとか、ドライブレター振ってないとか、そういう話じゃあないです。

返品してやろうと思いながら一応別のPCに繋ぐと空気読めないことに普通に使えちゃう。あ、これ (返品) ダメだあ。(落胆)

なんやかんやで半年ほどコレと付き合って分かったことですが、相性不良を具現化したようなSSDです。手持ちの機器だとWindowsは使えるのと使えないのが半々くらい。iPadは使えなかった。手持ちのPCで新しめのヤツだと使えたけど、主が持ってる以外のPCだと全滅 (家族のPCとかってことです)。主が試した限りだと7割の機器では使えなかった、つまり半分以上の機器では使えなかった。

このSSDの型番で調べてみると「使えない」「認識しない」となかなか評判が悪い。あれです、地雷引いたわこれ。

 

半年経って重い腰を上げる

SSDなんて自分の手持ちPCで使えれば問題ないので、気にはしつつもほっといてました。しかし今年になってiPad Proを雇用したので、使えない組み合わせが出てきた。中古SSDに手間をかけるのはなあ...と思いつつ何も考えないで使えた方がやはり精神衛生上も良いのでどうにかすることにしました。

 

問題個所を突き止める

この手の製品の場合、サイズからもわかる通り2.5インチのSSDが丸ごと入っていて、それをSATA-USBの基板を噛ませてプラスチックでフタしてるだけです。SATA-USBの変換はコントローラチップがあるので、これが悪さをしている場合と、根本的にSSDに問題がある場合の2パターン、両方に問題がある場合の+1パターンが考えられます。調べる方法ですが、別のSSDと別のケースを用意して、組み合わせを変えるだけです。

 

分解する

ゴリゴリに分解してますが、分解を推奨する訳でもなく責任も取れません。自己責任で。

新品時の保証も中古ショップの保証も切れてるし、やっすい中古SSDに思うところなんてないので、分解します。先述の通り、思うところがないのでマイナスドライバで無理矢理こじ開けました。想像した通り、まるまる2.5インチSSDが入っていて、変換基板がくっついてた。しかし基板部分小さいですね。

 

まずコントローラを疑う

ちょっと調べるとESD-EJ系統の製品の1TB版が使えず、コントローラのせいだと結論付けている記事があったのでコントローラを疑ってみました。コントローラチップはVLIのVL711-Q4であまり詳しい情報は載ってなかった。使ってみてる感じだとSATA 6.0Gb/sとUSB 5Gbpsに対応しているようで、UASPにも対応してました。正直ESD-EJで初めて知ったチップなので自分で使っててわかる情報しか得られなかった。

後日部屋片付けてたらこれとは別のSATA-USB 5Gbps変換基板が出てきた。そしたらこれがVL711-Q4だったっていう割とどうでも良い訂正というか追記というか。

確かになんだかよくわからんチップだと「こいつのせいだ!」と言いたくなるんですが、どうやらコイツは悪くないようです。他のSSDを繋げば普通に認識しますし、何だったら2.5インチHDDを繋いでも認識しました。

 

消去法的にSSDが悪い

ほぼSSDが悪いのは確定しましたが、一応調べました。家に転がってたSALCARという何だかわからんメーカー(?)のケースに挿してみた。ボリュームを認識しませんでした。使えない。どうもSSD側に問題がありそうです。

PCのUSB3.0ポートがもげる...訳ではなく外付けケースの名前が "USB 3.0"。

ちなみにこの検証に用いたSALCARのケースのコントローラチップは分解してみたところJMS578でした。安いHDDケースによくある、別に悪い評判もそこまで聞かない無難なヤツです。

 

さらにSSDを分解してみた

LSD-IA0512Gという型番がプリントされてたので、これを調べれば何かしら出てくるかと思ったら1つも情報が得られなかった。ので、今度はSSD本体を分解します。SATA SSDは大抵の場合、筐体内部の半分以上は空気です。HDDと違い、SSDは多少なら分解しても問題はないでしょう。保証とかそういう話は別です。そういうの気にする人は分解なんてしないでしょう?

ポイントカードを突っ込むだけで開くので分解方法は割愛します。

表は

  • コントローラー(Maxiotek MAS0902A-B2C)
  • NAND(N1TTE1B1FEB1)×2枚

裏は

  • NAND(N1TTE1B1FEB1)×2枚

で、DRAMレスSSDとなっているようです。NANDチップが何だこれ状態だったので調べてみると、LSD-IA0512GはBIOSTARのS120-512GBと全く同じ構造のようです。つまりOEM品。

これは裏が取れなかったのでこんな情報見たよって程度なんですが、この謎なNANDチップはIntelの検査落ちというツイートを見かけました。これが本当かは知りませんが、メーカーロゴすらプリントされてなくてマトモな情報が出てこないあたり高級品でないでしょうねえ。

いずれにせよ、早い話が大陸製のSSDであり、国産ではないです。

 

どうするか

安さとコンパクトさの2点を買っているのであって、SSDそのものはどうでも良いのです。つまり得体の知れないSSDを追い出して、使えるのを放り込めば解決です。という訳で

買ってきました。

 

新しいSSD

WD Blue SATA 2.5インチ SSD

型番はWDS500G1B0Aです。

コントローラはMarvell 88SS1074、SanDiskの3D TLC NANDが使われていて、512MBのDRAMキャッシュも備える優等生です。どう考えてもさっきのSSDよりマトモです。ちょっとした余談をすると、実はSanDisk Ultraが衣替えしたSSDです。

コレを選んだ理由ですが、無難な性能で安いのがこれだったからです。安さで選んで失敗し、安さで選び直すのが主です。実は中古っていうのはどんなに指が滑っても書けないんだな。

強いて言えばコントローラの発熱が不安です。が、まあ前のSSDも結構発熱してたし許されるでしょ(てきとー)。

7mm厚ならHDDも入りますが、これはやめた方が良さそうです。薄型で潰れる、窒息、筐体がペラいので衝撃が直にHDDに行きます。

 

組み立て

変換基板をSSDに取り付けてケースにはめてフタ閉めるだけ。若干SSDがデカいのか、やや窮屈ですが入らないことはないです。

これでどこに出しても恥ずかしくないポータブルSSDが完成しました。ついでに、今までのNTFSからexFATにしました。今まではWindowsだけでしたがiPadでも扱う可能性があるので、読み取り専用は不便です。

CDIで情報も読めます。

ESD-EJのケースとWD Blueの組み合わせ。速度は相性不良SSDとあんまり変わりません。SATA SSD自体が頭打ちですし、SATA 6.0Gb/sから見ればUSB3の5Gbpsも遅いので、速度求めるならNVMeでUSB 10Gbps以上に対応するやつを買うべきです。長期的なスパンで見た時の寿命が長いのがマトモなSATA SSDの利点だと信じてる。

 

後にまたSSDを替えた

SSDの価格崩壊が良い感じに進行しているので、1TBなSATA SSDを複数台確保しました。そのうちの1台をESD-EJのケースに放り込むことにしました。

手に入れたのはWDS100T1R0AのSA500シリーズで、早い話がWD Redシリーズです。Marvell 88SS1074、Nanya製DDR3L-1600 512MBなDRAMTLCな64層BiCS3 3D NANDなど、まあ無難に使えるやつです。WD Redぽい点としてはWD Blue系よりもTBWが長い。それくらい。SATAだとほんとに頭打ちなので差が出ません。

性能向上よりも容量を増やすことが目的なので、500GB→1TBに増量できたしヨシ。

 

取り外したSSDの使い道

思いつかぬ。PS4 Proの内蔵ストレージに使おうとしたら認識しなかった。使える機器は限られるし、得体知れないSSDである以上データを預ける気にもならない。

 

何故コントローラのせいにされたのか

この記事ではないですが、コントローラが原因と結論付けられている記事がチラホラありました。これは主の勝手な予想ですが、変換コントローラの発熱が原因じゃないかと思ってます。このケースは2.5インチSSDが丸ごと入ってる製品としてはかなり薄い部類で、排気口というものはなく内部設計にもあまり余裕はありません。VL711-Q4なるコントローラの実力の程は知りませんが、窒息ケースなので排熱が弱点であるのはまあ間違いないでしょう。実際、換装前も換装後も読み書きが激しいとそれなりに発熱します。あとは相性問題とか、これは普通に考えられます。主の環境だとコントローラの相性問題はたまたま起きなかっただけで、他環境だとコントローラ起因のトラブルが起きてることは否定できません。個体差とかも考えられますね。

【つ・い・き】

元から載ってたヨクワカランSSDと、ESD-EJの筐体とコントローラ、つまりELECOMから生まれたままの姿で十数GBくらい書き込んでみたところ、実はコントローラはそこまで発熱していないことに気付いた。むしろ発熱しているのはSSD側のコントローラとNANDです。検証方法は簡単、むき出しにして直に指で触れる温度かどうか。